2024年も気づけばあっという間に12月になりました。いよいよ今年も残りわずかです。
今年は例年になく暑い日が続き、秋らしい季節を感じる間もなく冬になってしまいました。急に気温が下がり一気に冬の寒さになりましたのでくれぐれも体調管理にお気を付けください。
さて、12月というと『年末調整』の時期です。令和6年分の年末調整は、定額減税(定額による所得税の特別控除)の影響もあり例年に比較すると注意すべき点が多くあります。
師走の忙しい時期だと思いますが、資料の確認などしっかりおこない正しく年末調整事務を進めていきましょう。
目次
1.年末調整とは
2.年末調整における定額減税への対応
3.年末調整にあたって必要となる書類
4.年末調整に関する参考資料
1.年末調整とは
毎月支払われる給与や賞与からは源泉徴収税額表に基づいて所得税及び復興特別所得税が差引かれています。通常この差引かれた金額の合計額と受け取った給与総額について納めなければいけない税額は一致しないのが通常です。
一致しない主な原因としては以下のものがあります。
- ・給与額に変動があること
- ・控除対象扶養親族の数などに異動(変動)があること
- ・生命保険料や地震保険料の控除、住宅取得控除などがあること
年末調整とは、年間の源泉徴収された税額の合計額と本来納めるべき税額に計算し精算することをといいます。原則としては給与の支払者に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人の全員が対象となりますが例外的に、給与の収入金額が2千万円を超える人など対象外の人もいます。

2.年末調整における定額減税への対応
令和6年分の年末調整を行うにあたっては例年と最も違う点は定額減税への対応です。
令和6年6月から支給される給与から月々支給される給与や賞与について定額減税に対応してきたわけですが、年末調整においても定額減税に対応する必要があります。
(定額減税については過去に書いたものがありますのでご覧ください。)
- ●年調減税額(年末調整時点の定額減税の額)の計算
年調減税額を計算する際の注意点は、年末調整を行う時の現況により計算をするということです。月次減税は令和6年6月1日の現況により同一生計配偶者と扶養親族(いずれも居住者に限る)の人数に基づいて定額減税の額を計算し、それ以降の人数の異動は加味をしていません。したがって年調減税を計算するにあたっては年調時点の同一生計配偶者と扶養親族(いずれも居住者に限る)の確認をしなければいけません。
人数の確認にあたっては
- ・同一生計配偶者→令和6年分 配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書
- ・扶養者の人数→令和6年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
*同一生計配偶者を年調減税額の人数に含める為には配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定
額減税のための申告書に記載をして提出する必要があります。
を使用します。なお、計算式につきましては以下の通りです。

- ●年調税額の控除
年調税額の控除については、住宅借入金等特別控除の金額を控除した後の所得税額から控除をします。
令和6年分の税額計算にあたっては、年調税額を控除した後の金額に102.1%を乗じて、復興特別所得税を含めた年調税額を計算します。

国税庁『令和6年分 年末調整のしかた』より引用
なお、年末調整の対象となる人が原則としては定額減税の対象となるのですが、例外的に給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる人については年調減税額を控除しないで年末調整を行うことになりますので注意してください。合計所得金額が1,805万円を超えるかどうかの判定については令和6年分の基礎控除申告書などにより把握をするようにして下さい。
3.年末調整にあたって必要となる書類
令和6年分の年末調整を行うにあたって必要となる書類は次の通りです。
- ・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 ☆異動がある場合には修正をしてください。
- ・給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税の
為の申告書兼所得金額調整控除申告書 - ・給与所得者の保険料控除申告書
- ・実際に本人が支払っている各種保険料控除証明書
- ・住宅取得控除を受ける場合には、住宅借入金等特別控除申告書と金融機関が発行する年末残高
等証明書
4.年末調整に関する参考資料
国税庁が『税務行政のデジタル・トランスフォーメーション』を公表し、年末調整に関しましても『年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)』や民間のソフトウェア会社が電子化に向けた取組を進めています。
まだまだ電子化への業務移行は難しい方もいらっしゃると思いますので各種申告書のダウンロードや手引きについては国税庁のHPを参考にしてください。
- 年末調整の概要について
- ・年末調整がよくわかるページ
- 申告書類等については下記のページの『申請書様式・記載要領』にてダウンロード
- ・給与所得者の扶養控除等の(異動)申告
- ・給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除及び所得金額調整控除の申告
- ・給与所得者の保険料控除の申告
令和6年分の年末調整は、定額減税に関する事務を行う必要もあってか例年になく煩雑になりそうです。
今回には書きませんでしたが令和6年分の源泉徴収票の記載方法についても変更点がありますので手引等を十分に参考にしながら進めていってください。
自民党が衆議院での単独過半数を割ってしまい来年度以降の税制改正が不透明な状況になりつつあると感じています。国民にとっては勿論ですが、国にとっても良い税制が構築されることを切に願います。