2025年が始まり、気が付けば早くも二週間が過ぎました。新年のご挨拶が遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
税理士業界では、年末調整や給与支払報告書の提出、償却資産税の申告、さらには令和6年分の個人の確定申告など本格的な繁忙期を迎えております。
今年の年末調整は定額減税に関連した事務処理が加わり、例年よりも手続きが増えております。また、年末には令和7年度の税制改正大綱が公表され、税務行政がますます複雑化しているように感じられます。
これからも、わかりやすく丁寧な情報提供を心がけてまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、今回は令和7年1月以降の『税務署に提出する申告書等の控えについて収受日付印の押なつ廃止』についてお話をしていきます。
最近では電子申告を利用する方も増え、書面での提出は少なくなっているとは思いますがまだまだ一定程度は書面で提出される方もみえます。
書面で税務署に提出する場合には申告書等の控えを持参し、職員の方に収受日付印を押してもらうことで税務署に提出した書類であると証明がされてきました。金融機関や行政機関も手続きの際には収受印が押された控えの提出を求められる場合も多いです。
今後は収受日付印が押されなくなるとどのような対応が必要となるのでしょうか。
目次
1.収受日付印の押なつ廃止についての背景
2.申告書等を提出した事実を確認する方法
3.収受日付印を求められた場合の対応
4.当分の間の対応
1.収受日付印の押なつ廃止についての背景
収受日付印の押なつ印の背景について国税庁は以下のように説明しています。
『国税庁においては、納税者の利便性の向上等の観点から、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」を目指し、申告手続等のオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX))を進めているところです。
こうした中、e-Tax利用率は向上しており、今後もe-Taxの利用拡大が更に見込まれることや、DXの取組の進捗も踏まえ、国税に関する手続等の見直しの一環として、令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないこととしました。』
国税庁からの説明からもわかるように昨今のデジタル社会の実現に向けての対応の一環であることがわかります。なお、「申告書等」とは、簡単にいうと税務署に提出される全ての文書を指しています。
2.申告書等を提出した事実を確認する方法
電子申告をされている方に関しては受信通知によりいつ税務署に提出されたかはわかりますが、今後書面で提出される方についてはどのようにして提出した事実を確認していけばよいのでしょうか。確認方法としては次の通りです。
〇申告書等情報取得サービス
オンライン申請のみではありますが、申告書等情報取得サービスを利用すると所得税の確定申告書、青色申告決算書及び収支内訳書について、書面により提出している場合であっても、パソコン・スマートフォンからe-Taxを利用してPDFファイルを無料で取得することができます。
ただし、利用に当たっては、マイナンバーカードが必要となります。
〇保有個人情報の開示請求
税務署が保有する個人情報に対する開示請求により、提出した申告書等の内容を確認することができます。
ただし、この開示請求により申請をする場合には、手数料が必要になります。手数料については、300円(オンライン申請の場合は200円)です。上記の申告書等情報取得サービスとは異なり、写しの交付に関しては1か月程度かかります。
〇税務署での申告書等の閲覧サービス
税務署窓口での申請のみのサービスですが、過去に提出した申告書等を閲覧することができます。
なお、申告書等が業務センターや外部書庫等に保管されている場合がありますので、申請される際は事前に税務署宛にご連絡いただくと手続がスムーズです。
3.収受日付印を求められた場合の対応
国税庁のQ&Aの問4で『国税当局から、金融機関や補助金・助成金などを担当する行政機関などに対して、今般の見直し内容について事前に説明等を行い、「令和7年1月以降は、各種の事務において収受日付印の押なつされた申告書等の控えを求めない」ことを徹底するようお願いしてきたところです。今後も、周知徹底に努めてまいりますが、仮に、令和7年1月以降においても、収受日付印の押なつされた控えの提出を求める各種機関を把握した場合には、国税当局から個別に説明を行う予定です。』と回答しています。
ただ、収受日付印の押なつされた控えの提出を求めないというだけであって提出の事実を求められることは変わりません。
やはり今後の申告等については、後々の手間を考えると電子申告により行うことが賢明ではないでしょうか。
4.当分の間の対応
書面で提出される方については、日付と税務署名が記入されたリーフレットを交付するとしています。
郵送により提出される方については切手を貼り付けた返信用封筒を同封して送付をすることでリーフレットが返送されます。
令和7年1月以降の収受日付印の押なつの廃止についてお話してきましたがいかがでしょうか。
書面で提出されてきた方々にとっては、電子申告に強制されると感じられた内容ではないでしょうか。私自身も申告書はもう書面ではなく電子申告をするのだと感じました。
当事務所では、一部の税目を除いてほぼ電子申告をしているのですが今後については全ての申告書、届出書、申請書を電子申告にて提出をしていきます。
大きく時代が変化している中で、できない人をどうしていくのかとよく考えることがありますが、『時代の流れだから』と思うようにしています。デジタル化を通じて利便性は格段に向上しています。ただ、利便性の向上と引き換えに失っていくことも同時に受け入れなければいけませんね。