10月も残すところ2日となり、令和5年も残り2か月となりました。暑い日が続きすぎたせいもあり秋だという実感もなく時間だけが過ぎています。
令和5年は10月からはインボイス制度が始まりまだまだなれない事務作業に追われていらっしゃることと思いますが、各種保険会社からの控除証明書も届き始め年末が近づいてきていると思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、令和5年分の年末調整についてのお話をしていきます。基本的には昨年と同様に進めていただいければと思います。
そろそろ税務署や各市町村から年末調整関係の書類が送られ始めますので、一度中身を確認していただき関与先の皆様におかれましては当事務所にご提出のほどよろしくお願いいたします。
目次
1.年末調整とは
2.昨年との変更点
3.年末調整にあたって必要となる書類
4.各種書類や手引きについて
1.年末調整とは
従業員の方々の毎月のお給料の支払いの際に源泉徴収税額表に基づいて源泉徴収を行っていただいているわけですが、その源泉徴収した税額の1年間の合計額と従業員の方々が実際に納めなければいけない税額は通常一致しません。
一致しない理由は色々とあるわけですが、従業員の方々の1年間の源泉徴収した税額と実際に納める税額に修正する作業が『年末調整』です。
なお、年末調整は1年間を通じて勤務している方や年の中途で採用して年末まで勤務している方などが対象となりますが、年間の収入金額が2,000万円を超える方など対象とならない方もいます。
2.昨年との変更点
令和2年度の税制改正により国外居住親族について控除の対象となる扶養親族の要件が追加され厳格化されました。
給与を支払う方に技能実習生や特定技能外国人ほか、外国籍の方がいらっしゃる場合には変更がありますのでご注意ください。
令和5年1月から、扶養控除の対象となる非居住者である扶養親族は次の通りです。
- ①年齢16歳以上30歳未満の人
- ②年齢70歳以上の人
- ③年齢30歳以上70歳未満の人のうち、次のいずれかに該当する人
ⅰ.留学により国内に住所及び居所を有しなくなった人
ⅱ.障害者
ⅲ.扶養控除の適用を受けようとする所得者からその年において生活費又は教育費に充てる
ための支払を38万円以上受けている人
該当の有無や必要書類に関しては下記のフローチャートや国税庁のHP『国外居住親族に係る扶養控除等の適用について』を参考にしてみてください。
3.年末調整にあたって必要となる書類
年末調整にあたって必要となる書類は以下の通りです。
- ・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- ・給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
- ・給与所得者の保険料控除申告書
- ・支払っている各種保険等の控除証明書
- *住宅取得控除を受ける場合には、住宅借入金等特別控除申告書と金融機関が発行する
- 年末残高等証明書が別途必要となります。
4.各種書類や手引きについて
年末調整に関しましても国税庁が『年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)』や民間のソフトウェア会社が電子化に向けた取組を進めています。これに伴い税務署から郵送されてくる必要書類の枚数も年々少なくなっています。
まだまだ電子化への業務移行は難しい方もいらっしゃると思いますので各種申告書のダウンロードや手引きについては国税庁のHPを参考にしてください。
- 年末調整の概要について
- ・年末調整がよくわかるページ
- 申告書類等については下記のページの『申請書様式・記載要領』にてダウンロード
- ・給与所得者の扶養控除等の(異動)申告
- ・給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除及び所得金額調整控除の申告
- ・給与所得者の保険料控除の申告
さて、令和5年も残すところ2か月となりました。ここから年末調整や確定申告など当事務所としても慌ただしい日々がまた始まっていきます。
年末調整は年に1度しかない手続きにはなりますのでしっかりとしたご準備の程宜しくお願い致します。
また、年末調整につきましても電子化の流れは進んできています。電子化にすることが業務効率化への全てではありませんが時代の流れを感じ取っていただければと思います。